カタログスペック的にはあんまり惹かれなかったですが、とりあえず買ってみて使ってみたらとても良いコンセプトカメラでした。
コンセプトとしては「動画撮影に必要無い機能を廃止して小型化を目指したアクションカム」だと個人的には思っているのですが大体認識合っているでしょうか?
しかしカタログスペック的に重量はあまり減っていなくて、通常モデルのHero11 Blackが154gなのに対してMiniは133g。
「うーん21g軽くなるだけかぁ」というのが最初の感想で、あまりMiniに心惹かれなかった理由だったのでした。
ただ形状的にカメラの横幅は劇的に小さくなっているのはプロモーションの写真を見ただけでも一目瞭然でしたし、私がGoProを使う主目的の自転車にも有効な形状であろう、という見込みで買ってみました。
私はGoProを自転車のシートポストに取り付ける事があるのですが、横幅が狭くなってくれたお陰で太ももとの干渉は無くなりましたし、筐体デザインが立方体に近くなった事で空気抵抗が改善される事で、実用上は21gの軽量化以上の恩恵はあるだろうな、という実感です。
たかが21gされど21g
GoProを自転車に固定すると常に衝撃がカメラに伝わり続けるので、カメラの取り付け角度などがズレてくる事があるんですよね。
特に延長アームとかで取り付けている場合はテコの原理で小さな衝撃でもズレやすくなります。
そういう意味では21gの軽量化はめちゃくちゃ安心感が増すんですよ。
たかが21gとはいえ衝撃が加わった時は質量に比例してマウントに加わる力は大きくなりますので。
ボディーマウントやショルダーベルトにマウントする場合は21gの差はあまり感じませんがヘルメットやハンドストラップなど振れ幅の大きな箇所にマウントした場合に生きてきます。
上部ステータス画面がミニマルで見やすい位置でとても良い
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背面ディスプレイが廃されたHero11 Miniですが、カメラ設定は必ずしもアプリ経由で行う必要はなく、最低限(ProTuneや一部システム設定以外)の設定はカメラ単体で行えるようになっています。
しかもこのスクリーンの場所が絶妙で、自転車にマウントした時とかショルダーベルトとかボディーマウントした時とか、ちょっと視線をしたにやるだけでカメラのステータスが確認できるのが非常によい。というかこのディスプレイは通常版GoProにも実装して欲しいくらいです。。。
GoProって皆さんご存知の通りピーキーなアクションカムですから、連続撮影中って定期的に生存確認しないと不安じゃないですか?上部ディスプレイのおかげでそれの確認が非常に楽になりました。
オーバーヒート警告発生時も上部ディスプレイに表示されます。
上部ディスプレイに併設されている赤色LEDは、従来のモデルと同様に撮影中(点灯)や内部処理中(常時点灯)を示すのですが、上部LCDのおかげで私は赤色LEDは常時Offに設定しています。
ただしOffに設定していたとしても、システム的な警告が発生している時は常時点灯になるようで非常にわかりやすいです。
例えば、オーバーヒート警告が発生すると常時点灯するのですが、なんせ赤く点灯し続けている状態は「対応を要するヤバい状態だ」という判断ができます。
従来モデルのGoProでこのような挙動はあまり気にした事はなかったのですが、同じ動きなのでしょうか?
何せMiniはこの辺の設計がユーザービリティーを考慮した設計になっており「どうしたGoPro、何か悪いものでも食べたか?」と思うほどなのでした。
The Remoteとの相性がとてもよい
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The Remoteを持ってはいたものの、それほど利便性は感じていなかったんですよね。劇的に操作性が上がるようなアイテムではないですし。
Mini単体では設定変更に難があるため、それを補完できるThe Remoteと組み合わせは良好です。モードボタンで簡単にプリセットの変更が可能です。
しかし、Miniはビデオのプリセット設定が「スタンダード」の一つしか存在せず、なぜ通常モデルと同様に
標準
フルフレーム
アクティビティ
シネマティック
ウルトラスローモーション
といったプリセットを残さなかったのか?なぜビデオ用のプリセットを削っておきながらタイムラプスはフルサポートしているのだ?という疑問が残ります。
プリセットがスタンダード一つしかないという事は、撮影状況に応じて設定を変えたいような場合、常にスタンダードプリセットに対して設定変更を行う必要があるんですよね。
敢えてMiniを使うユーザーがMIniでタイムラプス撮影するとは思えないのですが、引き算の美学というか割り切りが足りないというか、もうちょっと考えてくれと思ってしまうのでした。
タイムラプス機能を削れ、
とまでは言わないですが、「ビデオ集中モード」みたいなのを実装してくれませんかね?GoProさん?
操作ミスによる意図しないモード変更が発生しにくい
引き続きユーザービリティーに関する事なのですが「カメラ単体では撮影設定を変更し辛い」という事は、反面として良い事もあると思っていまして、不意にボタンや画面を触ってしまう事で意図しない撮影設定になってしまう事故を防げる安心感があります。
通常のGoProだとモードボタンがタイムラプス→ビデオ→写真の切り替えと、長押しが電源ボタンを兼ねているのですが、長押しが足りないとモードが切り替わってしまい、次回立ち上げて撮影したときにタイムラプスになっている事に気が付かなかった?というのを体験したことがあるのは私だけでしょうか?
カメラモードだとすぐに気がつけるのですが、タイムラプスモードだとパッと見ビデオを撮ってるように見えるので気がつけないんですよね。。。
Miniを単体で使用する場合は、この辺の心配はかなり軽減されますし、この仕様はプロの撮影現場でも重宝しそうですよね。演者が不意にカメラを触って設定が変わってしまうという事故も防げますし通常モデルより安いですし。
連続撮影時の安定性の向上
毎度の事ながらGoProの初期ファームウェアは不安定という事でGoPro Hero11 Miniも例に違わずという感じなのですが、Miniは輪をかけて不安定で、設定の変更や充電中に電源のOn/Off、アプリの接続などを行うと高確率でフリーズします。
フリーズした場合、ソフトリセット(ソフトリスタート)を行う必要があるのですが、方法としては「ステータス/ペアリング」ボタンの10秒長押しなんですよね。
10秒って長すぎなじゃい?っていうのと、リセットがかかってからの再起動時間もかなりかかるので、Miniを使い始めの状況がわからない時に、再起動中に何度もソフトリセットをかけてしまったのでした。。。
この辺、そもそもファームウェアアップデートで落ちる頻度を下げて欲しい所です。
という問題もあるのですが、一旦撮影を開始してからの安定性は歴代GoProシリーズの中で最高という感触です。
Miniは背面がヒートシンク構造になっているのですが、これの放熱効果が非常に高く、手でさわれなくなるなるほど熱くなります。
屋内など無風状態で固定カメラとして使用した場合、4K/60FPS以上で連続撮影をすると15分前後でオーバーヒートしてしまいますが、徒歩などのPOV動画の撮影時など、多少なりとも空気の流れが生まれる時の空冷効果は素晴らしい。
個人的に思っているGoProの実用上の最高解像度設定って、4Kだと思っているんですよね。5.3Kに上げてもビットレート的にはそんなに変わらないし編集も面倒だし。
なので実用上の最高画質設定は4K(16:9)/60FPS、ビットレート高、10bit:Onだと思っているのですが、この撮影設定でPOV動画を熱停止を気にせずに長時間撮影できるようになったのは非常に嬉しいことです。
まだ日本の秋という涼しい環境でしか撮影できていませんが、暑い環境での撮影もかなり期待できそうです。
まとめ
色々と言いたい事はありますが、トータルで非常によい製品というか、ちゃんとコンセプトに沿った製品でした。
特に背面のヒートシンク化は飾りではなく、ここまでしっかりと機能する物とは思っていなかったので嬉しい誤算でした。
暑い環境で撮影する場合にヒートシンクの溝に水を垂らしておけば気加熱で冷却性能があがるんじゃないかしら?とか、まだまだ試してみたい事はありますね。
初見で使いこなすのは難しく何人向けのカメラではないですがだ、過去にGoProを使用した事があって撮影設定でどのような映像が記録されるか頭の中でイメージできる人ならば戸惑う事なく使い始めれると思いました。
via PressSync