はじめに
GarminのFenixシリーズやその他のGPSナビ搭載モデルは、登山やアウトドアでの利用が一般的ですが、市街地や旅行先でのナビ機能はどれほど実用的なのでしょうか? スマートフォンのナビと比較しながら、実際に試した結果を紹介します。
1. Garminのナビ機能は2種類ある
Garminのスマートウォッチには、「POI(目的地)ナビ」と「コースナビ」の2種類のナビ機能が備わっています。これらはスマートフォンのナビとは異なる特徴を持つため、まずはその違いを理解しましょう。
1.1 POI(目的地)ナビ
- 目的地(POI)を指定すると、Garminがルートを自動計算して案内。
- ルートを外れると、自動的にリルート(再計算)。
- Googleマップのように最適なルートではなく、距離優先や直線的なルートになることがある。
- 自転車やバイク、車両での移動に適している。
1.2 コースナビ(事前作成ルート)
- 事前に作成したGPXコースに沿ってナビゲート。
- ルートを外れると「コースオフ」と表示され、リルートされない。
- 登山やトレイルラン、サイクリングなど計画的なルート向き。
- 元のルートに戻ることを前提としたナビ機能。
この2種類の違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。
2. Garminのナビ機能とスマホのナビの違い
スマートフォンのナビ(Googleマップなど)に慣れていると、Garminのナビの挙動に戸惑うことがあります。以下の表で主な違いを比較しました(特に重要な項目を太字で強調しています)。
比較項目 | GarminのPOIナビ | Garminのコースナビ | Googleマップ(スマホ) |
---|---|---|---|
ルートの自動計算 | 〇(最適とは限らない) | ✖(事前作成ルートのみ) | ◎(リアルタイムで最適ルート案内) |
ルート変更時の対応 | 〇(リルートあり) | ✖(コースオフ表示のみ) | ◎(リルートあり) |
オフライン利用 | ◎(可能) | ◎(可能) | △(事前ダウンロード必要) |
バッテリー消費 | ◎(少ない) | ◎(少ない) | ✖(GPS使用時は多い) |
目的地登録の手間 | △(Garmin Exploreで事前登録) | △(GPXデータの作成が必要) | ◎(検索ですぐ設定可能) |
Garminのナビは、「スマホのナビほど柔軟ではないが、バッテリーの持ちやオフライン性能に優れている」という特徴があります。
3. GarminのPOIナビは徒歩ナビに適していない?
GarminのPOIナビは地図データに基づいてルートを計算するため、車用ルートが優先されがちです。そのため、徒歩移動には適していません。
3.1 GarminのPOIナビが車向けに最適化されている理由
- デバイスの地図データに依存。
- Garmin標準地図では車道優先のルートが計算される。
- OpenStreetMapをインポートすると、徒歩向けのルートが向上する可能性あり。
- 公園内の道や遊歩道は考慮されないことがある。
3.2 Garmin Exploreでコースを作成すると徒歩ルートが向上
- 歩道や登山道を考慮したGPXデータを作成できる。
- コースナビではルートが固定され、意図しないリルートが発生しない。
- 「最短距離」ではなく、安全で歩きやすい道を選択可能。
徒歩移動では、Garmin Exploreで事前にコースを作成し、コースナビを利用するのが最適です。
4. 市街地でのナビ機能の課題
実際に市街地で利用すると、以下の課題がありました。
- 登録されているPOI(目的地)が少ない → 事前に検索しても見つからないことが多い。
- スマートウォッチの画面が小さく操作がしにくい → マップのスクロールやピンチズームが難しい。
- POI登録が面倒 → Garmin Exploreを活用することで改善可能だが、手動入力は手間がかかる。
GPXファイルを活用すれば、目的地登録の手間を大幅に減らせます。特にGPXファイルを簡単に作成する手段として、次にChatGPTを活用する方法を紹介します。
5. ChatGPTを活用してPOIを作成する方法
Garminのナビ機能では事前のPOI登録が重要です。ChatGPTを活用すると、簡単にPOIデータを作成し、GPX形式で保存できます。
5.1 ChatGPTでPOIを作成する手順
- 「〇〇の詳細情報を教えて。」と依頼する
- ChatGPTはリアルタイムの位置データを直接持っていないため、まずWeb検索機能を活用して位置情報を取得する必要があります。このプロセスを経ることで、公式サイトやマップ上の情報を参照し、正確な座標を得ることができます。
- 提示された情報を確認し、「〇〇のPOIをGPXで作成して」と依頼する
- 正確な位置情報を元にGPXファイルを作成。
- 生成されたGPXファイルをGarmin Exploreにインポート
- Garminデバイスへデータを転送し、ナビ機能を利用する
この方法を活用すれば、登録されていない地点でもスムーズにナビが可能になります。
6. GarminのGPSナビ機能の強みと弱み
強み
✅ オフラインでも使用可能(電波がなくても安心) ✅ バッテリー消費が少なく、長時間の移動に最適 ✅ 耐久性・防水性が高く、アウトドアで安心して使える
弱み
❌ ルート選択の精度が低い(Googleマップほど最適でない) ❌ 操作性がスマホより劣る(マップの操作がしにくい)
まとめ
Garminのナビ機能は「スマホのナビとは異なる仕組み」で動作するため、最初は戸惑うかもしれません。しかし、「POIナビとコースナビの違いを理解し、適切に使い分ける」ことで、その強みを活かせます。
特に徒歩移動では、POIナビよりもコースナビが適しており、GPXデータを活用することで快適なルート設定が可能です。さらにChatGPTを利用すれば、登録されていないPOIを簡単に作成し、Garminデバイスでのナビ機能をより便利に活用できます。