先日、INKEE Falconを入手したのですが、このジンバルは歩行時の縦揺れ以前の問題で耐衝撃性が低すぎでした。
ジンバル歩き時の足を着地した衝撃ですらロール曲がビビる(ビッチ軸も?)という現象が出ていまして、個人的には「使えんなー」という結論に至ったのでした。 懲りずにまた新たにアクションカム用のジンバルを入手してみたのですが、それが問題のHohen iSteady Pro4になります。
iSteady Pro4もまたGoPro Hero10専用ジンバルではない
あくまでも「汎用的」なアクションカム用ジンバルであり、GoPro Hero10に最適化されているジンバルではない、という点が注意が必要です。
私は発売時期からして「Hero10に最適化されてるんだろうなぁ」と思い込んで買ってしまったのですが、実際使ってみたらそうでは無かったという話。
まずisteady Pro4のベイロードは公称値では150gなのですが、GoPro Hero10の重量は152g、Hero7は158gになり、カタログスペックを超えてしまっています。 これってどういう事なの?…
実際使ってみるとジンバルバワー的には150g以上はいけそう?みたいな感じではありますが。
「GoProに最適化されていない」と感じる最も大きな点は「ロール曲バランスを取りようがない」です。
今となってはGoProは他社メーカーのアクションカムとして比較して大きめサイズになっています。 そのせいで取り付け時の左右位置の微調整が効かずロール軸の調整ができないんですよね。どうしても外側に重心が傾いてしまう。かなり。 とは言えメーカーはGoPro Hero9、10対応をうたっていますしこのへんは「モーターパワーでなんとかなるだろう」という事なのだとは思いますが。
最後にもう一点「GoProに最適化されていない」と感じる点は「同梱の給電ケーブルが使い物にならない」になります。 ジンバルにGoProを天地逆に装着すればギリギ届くのですが、この装着方法はモードボタンを塞いでしまうので使い勝手が低下するんですよね。
天地逆に装着する場合「バッテリードアにアクセスしやすくなる」というメリットはあるのですが、 給電を目的に天地逆に装着する場合は、ケーブルを抜くかジンバルから取り外すかしないとバッテリードアを開ける事も出来ないのでデメリットしか感じません。
供給電力が弱すぎるようでGoProのバッテリーを抜いた状態で高解像度撮影をしようとすると電力不足ですぐにGoProが撮影を止めてしまいます。 うーん、このジンバルの電力供給機能はGoProでは使い物にならないなぁ。
やはりロールのバランスズレは問題がある
何も考えずにiSteady Pro4を使用 して撮影、撮れた映像を確認 も「そこそこ安定感あるな」という感想です INKEE FALCONがかなり酷かったの と比較すると、かなり良く 感じました。
しかし歩行動画を撮っていると所々ロール車由がビビって「ワチャワチャ」シーンが入り込むんですよね。 というわけでカウンターウェイトを取り付けてバランスを取ってみました。
以下は、カウンターウエイトを付けて撮影した夜散歩動画をiMovieで撮ブレ補正をかけて書きだしたものです。定期的に滲みがでてるけど許容範囲か。。。
USB Power Delivery規格の充電器でも充電可能
この点は非常によいです。
充電速度は5V=1.5AでUSB2.0規格となり急速充電は不可なのですが、ケーブルを選ばずに使えるのはとてもよい事だと思います。
Type-Cケーブルをとりあえずさしておけば充電されるという安心感。
アクションカムの着脱が容易
この点も非常に良い。
「クリックリリースクリップ」とメーカーが呼称しているのですが、言葉通りクリップのようにワンタッチで着脱可能です。 それでいてカメラの固定もしっかりしている。
一般的にカメラをジンバルに乗せた時に最も不便に感じる点は「カメラの各種インターフェースにアクセスしにくくなる」という点だと思うんですよ。
電池を交換したりとかSDカードを取り出したい、という場合は大抵カメラをジンバルから取り外す必要があります。 これだけカメラの着脱が容易であれば、そのストレスは殆どないですね。
IPX4防水は便利かも?
充電ソケット部は簡単なパッキンで塞ぐようになっていて、軽い雨くらいなら問題なさそうでした。
しかしこのバッキン、ペラペラなので使用を 重ねるとすぐに使えなくなりそうな予感はしますが。 とはいえ、この価格帯の製品で防滴性能を備 えているのは驚きです。
操作性の不満点
以下は残念ポイントになります。 INKEE. Falconと比較するとトリガーボタンのクリック音が非常に静かでその点はよかったのですが、 操作性がちょっと変かな?って思いました。
iSteady Pro4のトリガーボタンで出来る事って二つしかなくて、
- ダブルクリックで中心に戻す
- 押しっぱなしで追従性の速いスポーツモードになる
以上になります。セルフィーモードが無いのは許容範囲なのですが。。。 「変だな」と感じる事の一つは「ダブルクリックで中心に戻す」の挙動なのですよね。
私はカメラを上下に向ける時のジョイスティック操作が苦手なので水平(ロール)のみ固定する「バン/チルト フォローモード(DJI製品ではフォーローモードに該当)」 をよく使います。
このモードの時に「中心に戻す」操作を行うと、ジンバルの傾きに関わらずカメラを地面に対して水平に向けてくれる、というのが私的には慣れ親しんだ動きなのですが、 iSteady Pro4の場合はハンドルに対して直角に向ける感じで、かなりFPVモード寄り設計だなあ、という感想。
また、私がもう一つよく使う機能はオールロックモード。まっすぐ前進する映像を撮るときに便利なんですよ。
iSteady Pro4の場合はオールロックモードがモードの一つとして存在しており、これに切り替えるにはモード切替ボタンしか方法がないんですよね。。。 モードボタンでしか切り替えれないという事は、元のモードに戻したい場合は、 一周してFPVモードを配る必要があり、 そのタイミングでカメラの向きが強制的に変わり動画の連続性が失われてしまう。
ロックモードってトリガーの長押しとか簡易に呼び出せるようなデザインが一切かな?って思うんですが、どうなんでしょう?
ただ、iSteady Proはジョイスティックが2段階?3段階の強弱の入力が可能で、アプリから速度の設定が可能なので、 ジョイスティックもそれなりに使えるのがいいです。
このジンバルを使用するときはバンフォローモードで上下はジョイスティック操作、という運用になりそうです。。。
が、私はミラーレス用にも別のジンバルを使う事もあるので、 それらと操作性が極端に異なると頭の中で混乱しそうだなあ。 アプリからトリガーボタン 等の割り当てを変更出来たら最高な ですけど。
まとめ
トリガーボタンの長押し中にスポーツモードになるあたり「アクションカメラ向けの操作性に設計されているなあ」と感じるわけですが、 この辺は割り切って使うしかないですかね。実際アクションカメラ向けジンバルなわけですし。
問題点はありつつも、価格、品質的にコスパの良く、総合的には一応使えるかな?くらいの感じの製品でした。
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