GoProって過酷な環境で使用するアクションカムでありながら、その画質から映像クリエーターなどからも 一定の評価を得ているカメラだと思います。
しかしGoProをスポーツで使用しない映像系のインフルエンサーがGoProを紹介するのは功罪の二つの側面があると思っています。
GoProにとっては売れてくれればよいので「功」しかないと思いますが。
しかし一消費者からしてみると「防水機能もついているし旅行で使いやすそうな汎用的なカメラ」みたいなイメージで購入すると、 高い確率で落とし穴にハマるんだろうな、と想像するわけです。
防水機能に期待している時点で暑い地域で使用する可能性が高いわけで。
こういった地域で風を受けないような街歩き撮影を行うと、大体10分~20分で高熱になり撮影が止まるので「なんじゃこりゃ?」と面食らってしまうんですよね。
寒冷地域でも風を受けないとバッテリーを消費しつくす前に熱停止する事が多く。
逆に言うとGoProは風さえ受けていると酷暑のような過酷な環境でもそう簡単には落ちません。
自転車でGoProを利用している人に熱停止を質問すると「熱停止?何それ?」となるはずです。 私はGoProは「適切な用途(ほぼスポーツ)で割り切って使用すべきカメラだ」と思っているのですが、唯一困ったなぁ という撮影シーンが自動車の車載カメラとして使用した場合なんですよね。
GoProの画角、画質、HyperSmoothによるブレ低減性能を車載カメラとして使いたくなるのは私だけではないと思います。
しかしGoProを自動車用の車載カメラとして使用する場合、何も考えずに撮影すると真冬だろうが20分前後で急停止してしまいます。あちゃー。
ってわけで私の持論である空冷の有効性を検証してみました。
運転中に検証すると危ないので屋内に車内の撮影環境を再現
直射日光の当たる窓にGoProをマウント、4K/60FPS、HyperSmoothをブースト、 ビットレート高に設定。 サードパーティー製のマウントで固定し、全アルミ製のサムスクリュー(HSU製)で固定。電源は外部電源のみ。バッテリードアは外した状態。
前のタブレットのドライブ映像を撮影を連続撮影します。
この時の室内の気温は20.6度。室内なのでもちろん無風。 この状態だとHyperSmoothの負荷は殆ど掛からないと思うので、実運用の方が少し厳しい環境だろうなと思います。
この撮影環境で約29分くらいで高熱警告が発生しました。 この時のGoProの表面温度は48度。手で触るとかなり熱い状態になっています。 経験上、この警告が出てから撮影を続けると約5分くらいで停止します。
この状態から携帯扇風機でGoProに風を当て続けばリカバリーできるのか検証してみます。
使用したのはPanasonicの東京五輪向けに販売されていた携帯扇風機です。
小型機ゆえにそんなにパワーはありません これを使用して約50cmくらい離れた場所から風を送っていきます。
結果は私の予想をも超える効果が出たのですが、約2分で高熱警告が解消この時の表面温度は約41度。
そのまま撮影時間が1時間になるまで放置すると約27.5度まで冷却されました。
うん、これは問題解決したわ。終了。
実際に車載カメラとしてのテスト
こんな感じでダッシュボードに携帯扇風機を設置し、風を送り続けます。風量は中で。(音がうるさいので)
5.3K/60FPSで3時間回し続けましたが全く止まる気配無しですね。(家バレしないように前後トリムをかけてるので、リンク先の動画は2時間くらいの長さの短縮ですが。)
注意しないとだめなのは駐車して車を一時的に離れる場合、炎天下だと車内温度が上がってGoProの温度が急上昇する事ですね。これはGoProに限った事ではないですが。いくら風で冷やし続けても気温よりも温度は下げれませんので。
まとめ
GoPro。風。大事。
上記のテスト結果だとウォーキングのPOV動画とかは、いずれ熱が蓄積して落ちるのは避けようがないですね。身体に送風機付ける?
うーん。 バッテリーを抜いてVoltaのような外部電源を使用すれば多少の延命は可能かもしれませんが焼け石に水でしょうね。
あと屋内でテストをしていて、ちょうど晴れたり曇ってたりして気がついたのですが、直射日光の影響って微々たる物なのですよね。意外。
まだ4月の柔らかい日差しだからかもですが、せいぜい影響は1℃くらいかな?
にしてもGoProはかなり発熱に強いカメラだと思うんですけどねぇ。同じような画質で同じような環境で連続撮影した場合、GoProよりも長く撮影できるカメラってどれくらいあるんだろう?と思ってしまいます。
逆に空冷が効き過ぎるが故に寒冷地用のEnduroバッテリーを販売する必要があったのだと確信しました。
最後に、GoProを適切な温度に保った状態で長時間運用してみて気づいた点ですが、温度が適正だとGoProの動作は非常に安定する、という事ですね。
高熱警告が出てるのに、バッテリーの差し替えとかで騙し騙し撮影を続けてると、Bluetoothリモコンが繋がらなくなったりとか、諸々怪しい動きをしだすのですが、適正温度なら超安定。
電子機器の温度管理は基本中の基本という事ですね。
via PressSync